「あの人は頭が良いから~できる。」という実は失礼な言葉。

火曜日, 3月 12

勉強系

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ある人が自宅に訪れた。自分は話していませんが。

その人は日本人ではないが、日本語がすごく堪能らしい。

自分は「たくさん練習したんだね。」と家族に言った。しかし家族は「頭がいいからね。」と言った。

自分はその時、「んんっ?」ってなった。

なぜそういう言葉になるのだろうと。

少し前に「やりぬく力 GRIT」を読んだ。著者はアメリカの教育界で重要視されている「グリット」(やりぬく力)研究の第一人者のアンジェラ・ダックワースさんだ。
(2013年 マッカーサー賞受賞「別名 天才賞」)

GRIT やりぬく力

アンジェラ・ダックワース

この本の中心の話は「継続しつづけた人が成果を出すということを証明した」ということです。

そして、才能=成果にはならないということです。

本の一節を見ていただきたい。


自分が「ラク」だから人を神格化する

「あまりに完璧なものを見たとき、我々は『どうしたらあんなふうになれるのか』とは考えない。その代わりに「魔法によって目の前で奇跡が起こったかのごとく熱狂してしまう」。

(略)ニーチェはこうも言っている。

「芸術家の素晴らしい作品を見ても、それがどれほどの努力と鍛錬にうらうちされているかを見抜ける人はいない。そのほうがむしろ好都合と言っていい。気の遠くなるような努力のたまものだと知ったら、感動が薄れるかもしれないから」

つまり、私たちはこう思いたいのだ。「マーク・スピッツは、生まれながらの水泳の天才なんだ。あんな才能は誰にもないし、あんな技術は誰にもまねできない。」

(略)ニーチェはこうも言っている。

「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それにくらべて引け目を感じる必要がないからだ『あの人は超人的だ』というのは、『張り合ってもしかたない』という意味なのだ。」

言い換えれば「天賦の才を持つ人」を神格化してしまったほうがラクなのだ。そうすれば、やすやすと現状に甘んじていられる。私自身、教師生活の初めのころを振り返ってみると、まさにそうだった。「才能」のある生徒しかよい成績は取れないと思い込み、そのように指導したせいで、生徒たちも、私も、「努力」の大切さを深く考えることがなかった。
(やりぬく力 GRID P65,66 引用)


この発言のように私たちは見えない努力を軽視しがちだと思われます。

そこで、自分よりすごいなぁと思う人を見るとつい「生まれつき頭がいいから」というその人の長年の努力をすっぽかした失礼な言葉をクリエイトしがち。

自分が家族の発言に対して「んんっ?」と違和感を持ったのはここにあります。

ちなみに、本書は教育についての著者の理論が長年の体験、研究を基に展開されています。

教育について興味がある人は一読してもいいのではないでしょうか。


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